GironHubは、議論をするためのプラットフォームです。
私たちは「SNSでは議論ができない(やりづらい)」と感じ、では議論ができる場所とはどんなところか?ということを検討し、それを「議論プラットフォーム」と名付けました。
そして、いろいろと調査していくうちに「議論プラットフォーム」と呼べるものは世の中にいくつもあることを知りました。しかしそれらのいずれもが「議論する場所として用意されているサービスではあっても、実際に議論がしやすい仕組みになっているだろうか?」という疑問を抱かざるをえないものでした。
参考: >> note 既存の議論プラットフォームは議論がしやすいのか?
そこで、自分たちで作ってみたのがこの「GironHub」です。
私たちは既存の「議論プラットフォーム」を参考にはしませんでした。その代わりに、SNSを研究し、「なぜSNSでは議論ができないのか?」を検討した上で、その問題点を克服する方向で新しい議論のためのUIを作れないかと考えました。
そのため、GironHubは類似のUIのない、独自の議論プラットフォームになっています。
「SNS上での議論」については、2021年の7月頃にマストドン上で話題になり、多くの人の意見と意見交換を行いました。その時のまとめが以下になります。
SNS では通常、自分のフォローしている人だけがタイムラインに表示されます。SNS 上で議論が始まると、その中の自分のタイムラインに出てきたものを議論の最初の投稿だとみなし、そこから各自が各自のタイムラインで議論を始めてしまいます。この仕組みだとユーザごとに違う議論に参加しているようなもので、主題が何だったのか、誰が議論に参加しているのか、これまでの流れはどのようになっていたのか、などがわからないまま、各自が勝手に持論を展開するだけになります。最初はあるい程度議論のようなものだったとしても徐々に拡散され壊れていきます
GironHub では、誰かが主催者となり議題を提示してスレッドを立てます。これが「議論タイムライン」となり、そのタイムライン上で議論が展開されます。途中から参加する人でも過去のやりとりを追いやすく、堂々巡りになることを防げます。
SNS の場合、「議論に参加している人」と「その議論を傍観してちょっと独り言をつぶやいた人」の区別がなく、ちょっとつぶやいただけで議論に巻き込まれてしまう、という問題があります。
GironHub では、議論に参加している人=登壇者、と傍観している人=観戦者という区別があります。それぞれが別々のタイムラインで発言できますので、傍観者としてのつぶやきに議論の参加者から批判のリプライが飛んできたりするようなことはありません。
SNS では各自が各自のタイミングで書き込むので、書いている最中に他の人からリプライが来て順序がおかしくなったり、ツリーが複数に分散してどれがどれを読んだ後のリプライなのかよくわからなくなったりします。
GironHub では、同じ議論タイムライン上では2人が同時に書き込むことはできません。会議場でのシンポジウムなどで登壇者がマイクを回しながら発言するようなものをイメージしてみてください。他の人が発言している時はその発言を読む時間です。書き込みは自分の番になってから行ってください
GironHub では、現在のネット空間の特徴といえる「フィルターバブル」「エコーチェンバー」による分断された状態を改善し、違う意見を持つ人同士が、相手がなぜそういう考えを持っているのかをお互いに聞いて議論することができる空間を作ることを目指しています。
空間と言っても、GironHub 内にコミュニティを作り、気の合う人同士がフォローし合うようなものは目指していませんし、特定の考え方を持った人だけが利用するサービスになるのも避けたいと考えています。そこで「ハブ」という名称をつけることにしました。
言い換えると、異なる考えを持つ人同士が議論するためのハブになること。それが GironHub が目指していることです。
もし「自分の意見が絶対に正しい」と思うのであれば、議論の必要はありません。SNSやブログなどでその主張を発表すれば良いだけです。
GironHub は、自分とは違う考えを持つ人の意見を持つ人と対話し、自分の考えを深めたり、新しい発想を手に入れたりするための場所です。
それを実現するためには、「論破テクニック」や「ファイナルアンサーのような言い切り」ではない新しい対話の形が必要です。このまだ見ぬ「新しい対話の形」を生み出すための実験場が GironHub です。
このように現時点では GironHub は実験的なプロダクトです。徐々に進化させていきたいと考えていますが、それにはいろんな方に使っていただきご意見をいただくことが重要です。「議論プラットフォームのあり方」あるいは「現状のGironHubの問題点」なども議論のテーマの一つとして、GironHub上で議論していきたいと考えています。
教えて○○、○○箱、○○袋といったサービスは「質問者と回答者」のコミュニケーション空間です。一方で議論は「質問と回答」という形で進められるものではありません。
GironHub では「質問者と回答者」というコミュニケーションの形ではなく「主催者と登壇者(複数)」という形をとっており登壇者同士のコミュニケーションによって議論が進んでいきます。この2つの違いをイメージしてみてください。どちらのやり方がより活発な議論を引き出せるかおわかりいただけるかと思います。
「議論の場」を銘打ったサービスでさえ、多くのものがこの「質問者と回答者」このバリエーションである「提言とコメント」の形をとっているのが現状です。せっかくの議論の場が一対多のコミュニケーションに陥っているのはとても残念です。
これについては、こちらも参照してください。 >> note 既存の議論プラットフォームは議論がしやすいのか?
SNS 以前のインターネット上にあるコミュニケーション空間として、「インターネット掲示板(フォーラム)」の役割はとても大きいものでした。
GironHub はインターネット掲示板(フォーラム)による議論を否定するものではありませんが、インターネット黎明期からのもう一つのコミュニケーション手段である「チャット」をベースとした議論空間を作ることに注力しました。理由は議論をリアルタイムにすすめることもできるようにしたかったからです。
GironHub はリアルタイムでも非リアルタイムでも使える議論プラットフォームを目指しています。チャットで非リアルタイムな議論を行うことは可能ですが、掲示板でリアルタイムな議論を行うのは難しいのではないか?と考えました。 であればチャット型のツールを採用してみよう、と考えました。
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